また、映像教材を視聴した後、先生同士でディスカッションする時間を設けるとさらに学びを深めることができます。ある学校では、SNSを活用して、ネット上で先生同士の悩みを相談したり、課題に対するディスカッションを行ったりすることで研修効果を上げています。
株式会社ネットラーニング 教育事業部 高島 宏太
2020年3月20日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。
番組サマリー
校内研修の課題とは? 学校全体で学ぶ仕組みづくりを
校内研修を実施するうえでの一番の課題は、やはり先生が集まれる時間がなかなか取れないという点です。特に、先生たちの「学びの時間」は後回しにされがち。時間がない中でどのように研修を行っていくかが、生徒により良い教育を届けていくうえでの重要なポイントになってきます。例えば、ある先生が外部で有益な研修を受けてきても、共有する場がなければそれは個人のスキルにしかなりません。「学校全体で学んでいく」という考え方を持つことが大切です。
リアルとオンラインの組み合わせで効果的な校内研修を実現
まずは学校ごとに実施されている「校内研修の在り方」をしっかりと見つめ直すことから始めてみてください。そのうえで、映像教材を使った「オンライン研修」を従来の研修と組み合わせて実施することをお勧めします。「オンライン研修」は、先生たちが都合のよいタイミングで学習できますし、複数の先生が集まって一緒に視聴することも可能です。
対面とオンライン研修をうまく混ぜ合わせることで学習効果を最大化
無料で誰でも使えるオンライン研修教材とは?
「オンライン研修」というとハードルが高く感じるかもしれません。そんな先生にはまず、教職員支援機構(NITS)の「校内研修シリーズ」をお勧めします。ネットで「校内研修シリーズ」と検索すると、YouTubeチャンネルにアクセスできます。現在70本ほどの動画コンテンツがアップされています。
コンテンツは、各学校で行われる校内研修を60分と仮定し、最初の20分で動画視聴、残りの40分でグループワークを行うことを想定して作られています。各学校、教育委員会からも「内容が分かりやすい」と評判のいい映像コンテンツです。何より、無料で誰でも視聴できますので、まずは一度映像を見ていただけたらと思います。
オンラインコンテンツの主流となってきている動画教材
手段を目的化しない。学びたい意欲に応える校内研修づくり
先ほど研修の在り方を見つめ直すことの重要性をお話しましたが、同様に研修自体を目的化しないようにすることが大切です。あくまで「学びを深めたい」「ICT活用をさらに実践したい」といった意欲のある先生たちが集まり、その意欲に応える場をつくることが目的であってほしいと思います。
ICTの導入が決まり、既にその準備を進められている学校も多いと思いますが、ICTの使い方をコンピューター教室で教え合うような校内研修があってもいいと思います。そしてその様子をビデオカメラで撮り、校内の研修資産として残す。動画で残しておけば振り返りの教材にもなりますし、新人の先生のための研修教材にもなります。
忙しい先生たちのスケジュールを調整しながら、中身のある校内研修を1人で作り上げるのは容易ではありません。もし研修プログラムの企画やその実現方法でお悩みの先生がいれば個別でのご相談もお受けしています。校内研修を通じて、より良い学校教育を一緒に作り上げていきましょう。
番組視聴はこちらから
MacやiPhone、iPadからiTunesを使って簡単にPodcastを楽しめます。
RSSを使って番組をダウンロードできます
GUEST PROFILE
高島 宏太(たかしま こうた)
株式会社ネットラーニング 教育事業部
某教育ベンチャー企業で私立中学・高校向けの放課後学習サポートプログラムの設計・実行支援に従事した後、2016年4月に株式会社ネットラーニングに入社。官公庁・自治体や教育委員会、学校向けに教育ICTを中心としたeラーニングトータルソリューションを提案している。
- *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。
バックナンバー
ゲスト:江口 徹
[2022年 5月20日公開]
ゲスト:鳥生 浩紀
[2022年 4月15日公開]
ゲスト:齊藤 翔太
[2022年 3月18日公開]
ゲスト:竹谷 正明
[2022年 2月18日公開]
過去のバックナンバー一覧
Teacher's CLIP バックナンバー
ナビゲーションメニュー