物流倉庫管理でよくある課題とは? 課題解決までの道のりを解説

物流業界は需要が高まる一方で人手不足という大きな課題に悩まされています。中でも重要な倉庫管理面での課題は多く、それらを解決するためにはWMS(倉庫管理システム)が不可欠です。この記事では各課題をあらためて確認し、WMSを活用しているアパレル関連企業の事例を紹介します。また、販売管理システムとの自動データ連携でさらに効率化が図れることも解説します。

物流業界全体の課題とは

スマートフォンやパソコンから気軽に注文できるネット通販の普及や、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要などから、物流業界はますます私たちの生活になくてはならない存在となっています。
一方、物流業界は多くの課題を抱えています。まず、少子化によって労働人口が減少しているうえ、ドライバーの高齢化が進み、ハードな労働環境というネガティブなイメージから人材確保が困難な状況になっています。また、対個人の配送が増加する中、長時間にわたる肉体労働で、雇用者一人一人の負担が増え、激務にさらされていることが問題視されています。
ほかにも、「2024年問題」の課題もあります。2018年6月に働き方改革関連法が成立し、物流にかかわる業務では、2024年4月から「時間外労働の上限規制」が施行となります。それまでに慢性的な人手不足が解決しなければ、物流が停滞し、私たちの生活に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。
このように、物流業界全体が今後も維持、成長していくためには、「深刻なドライバー不足」「労働環境問題」「2024年問題」といった根本的な人手不足の問題をクリアすることが必要不可欠となっています。

倉庫管理の課題とは

ここからは、物流の重要なポイントとなる倉庫管理について、どのような課題があるのか解説します。

ヒューマンエラーの発生

物流業界全体の人手不足から、倉庫での作業は最低限の人員配置にしている事業者も少なくありません。繁忙期はさらに各作業員の負担が大きくなるため、荷物の数え間違いやピッキングミス、ロケーションの不一致などのヒューマンエラーが発生しやすくなります。
複数人での相互チェックができない環境では、売り上げ向上の機会を失うことにもつながりかねません。これは非常に悩ましい問題といえます。

人員不足と属人化

深刻な人員不足は、さらに新たな問題を引き起こしています。倉庫での作業は、商品特性や在庫状況の把握、取引先から指示された梱包(こんぽう)方法や作業のタイミングなど、さまざまな情報をある程度インプットしておく必要があります。しかし、新人が即戦力となるまでには一定の期間がかかるため、経験年数の多いベテラン社員に作業の負担が偏ってしまうという属人的な課題があると指摘されています。

無駄な在庫・欠品によるロス

また、倉庫には非常に多くの商品を保管しますが、それぞれの製造日や入出荷におけるタイミングが異なるため、それらの情報管理も重要となります。在庫を無駄に抱えたり、繁忙期に欠品を起こしたりすると売り上げに悪影響を及ぼすため、常に最適な在庫数を保つことが求められます。

棚卸し作業の手間と時間

倉庫で行う棚卸し作業にも課題があります。一般的にExcelで作成された在庫情報を基に棚卸作業を行っている事業者は多くありますが、Excelでは大量かつ複雑なデータ処理をするのは困難で、タイムラグが発生したり、入力ミスが起きたりするリスクがあります。万が一、データ上の数量と実際の数量に不一致が生じた場合は、過去のデータ入力で誤りがなかったのかさかのぼってチェックし、修正しなければなりません。このように手間と時間がかかる点にも注意が必要です。

倉庫管理の課題を解消するWMS(倉庫管理システム)

倉庫管理における多くの課題を解消するために開発された、WMS(倉庫管理システム)の概要についてご紹介します。
まずWMSとは「Warehouse Management System」の略称で、倉庫の在庫変動情報、納品書作成など、決まった業務をサポートしてくれるシステムです。特に入出荷・管理といった倉庫内での物流を可視化し、正確でスピーディーに行えることを目的としています。WMSを導入することで、これまで紹介したヒューマンエラーや作業の属人化、無駄な在庫や欠品ロスによる経済損失といった課題をクリアにしてくれるため、注目が高まっています。

WMS(倉庫管理システム)を活用した事例

WMSを実際に活用し、成功しているアパレル関連企業の事例を二つ紹介します。

A社

アパレル物流企業のA社は、さまざまな自社ブランドの洋服や雑貨を国内1カ所の倉庫で管理していましたが、より効率よく各店舗に配送を行いたいという要望から、WMSを導入しました。
その結果、倉庫内での入出荷管理、ロケーション管理がミスなくタイムリーに行えるようになり、人員を増やすことなく生産性を約20%アップ、作業品質も改善されたという実績が報告されています。

B社

次は、元々靴の卸売販売から業績を伸ばし、現在はECサイトのみ出店しているアパレルメーカーB社の事例です。B社は5階立ての倉庫で商品管理を行っていますが、以前のシステムではロケーション番号に制限があったため、どのロケーションがどの階数にあるのかなどを覚えたり、ピッキングしたりするのに時間がかかることが課題となっていました。
また、ロット管理面でも、古い入荷分から先に出したい場合にわざわざ新しい入荷分の在庫を移動しなければならず、また入荷予定登録ができないという出荷面での課題もありました。
そこで新たにWMSを導入したところ、ロット管理では先入れ・先出しができるようになり、ロケーション番号も無制限に設定できるためヒューマンエラーが大幅に軽減されました。

アパレル業界の倉庫管理はシステムの活用で解決

アパレル業界での倉庫管理の課題を解決したいという場合には、クラウド倉庫管理システム「ロジザードZERO」の導入がおすすめです。アパレル商品を含む幅広い商材に対応した管理システムで、倉庫内の実在庫数やそれぞれの商品がどこに、どの状態で保管されているのかなど、詳細で正確な管理が可能となります。
「ロジザードZERO」を取り入れることにより、「ApaRevo」という販売管理システムとの連携が可能となり、在庫から販売まで、まとめてシステム管理ができる点も大きなメリットです。「ロジザードZERO」へ入荷予定データ、出荷指示データを出力し、「ロジザードZERO」から取得した実績データを「ApaRevo」に取り込み、活用することで倉庫管理が効率化できるようになっています。最先端の市場動向を踏まえたこまめなバージョンアップも行われるため、使いやすさや機能面での安心感もあります。

まとめ

物流業界が抱える人員不足という課題は、さまざまな影響を与えています。特に倉庫管理ではヒューマンエラーが発生しやすく、売り上げの機会損失リスクを回避するため、倉庫管理システム(WMS)を活用することで生産性の向上に期待できます。倉庫管理だけでなく販売管理もシステムを導入し自動化することで、より正確な情報管理と効率的な倉庫管理を実現することができます。しかしシステムの導入にあたり、自社にどのようなシステムを導入したら良いのか、どのように活用できるのかが分からず、お困りの方もいるのではないでしょうか。

大塚商会では、お客様の状況に合わせた倉庫管理のご提案が可能です。WMSと販売管理システムの連携などでお困りごとや気になる点は、ぜひお気軽にご相談ください。

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