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鉄鋼卸売業界 トピックス
鉄鋼卸売業界の最新情報から、気になる動向、最近の話題などをご紹介します。
2020年 鉄鋼流通市場の展望
2020年の鉄鋼の需給は、建設業での非住宅関連の都市再開発プロジェクトの継続や、土木関連の国土強靭や災害復興対策などから需要の増加が見込まれます。反面、製造業向けは輸出関連中心に生産の見直しや内需の減少などから、需要改善には1年以上かかる見込みといわれています。
このように鋼材需要が停滞する中、顧客満足に応える業態整備が急務と考えられます。小口・即納体制に加え、加工対応など高付加価値製品の提供が受注拡大のポイントといえそうです。
新型コロナウイルスに対する主要企業の対策
鉄鋼各社も在宅勤務や出張禁止など新型コロナウイルス感染拡大防止策も迫られてます。
日本製鉄
最大限のフレックス勤務、積極的なテレワークの活用をその対象者には促し、打ち合わせは原則テレビ会議やWeb会議を活用。国内外の出張も原則禁止している。
JFEスチール
時差通勤の推奨と在宅勤務制度対象を拡大。未就学児や小学生を持つ社員については在宅勤務の日数上限緩和、「WLBS休暇」や特別休暇の要件を追加するなどの対策を講じている。
神戸製鋼所
時差通勤や在宅勤務などの対策を実施するとともに新幹線・飛行機での移動を伴う出張を原則禁止とし、テレビ会議やMicrosoft Teams、Skypeなどの利用を促進している。
また商社各社でも基本原則全社員の在宅勤務を実施していたり、フレックスや週に複数日を在宅勤務としたりするなど積極的に取り組みを始めています。
建設分野、製造業分野における活動水準の低下が鉄鋼・非鉄製品需要の減少を招いている今、新型コロナウイルスによる混乱が収束する兆しはいまだ見えていません。1億トン弱と予想されている20年度の全国粗鋼生産量がさらに下振れする懸念も高まっているといわれています。