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第95回 誤(5)を少なく(S)する5S活動
整理整頓を含む5S活動とは、ヒューマンエラーといわれる人の誤(5)を少なく(S)する活動です。
誤(5)を少なく(S)する5S活動
整理整頓にはコストが掛からないので、社内で今すぐ始められる改善活動です。
整理整頓は法律には定められていないので、社内で決めなければ始まらない改善活動です。
また、整理整頓とは仕事道具への愛着と仕事へのこだわりを示す、プロの仕事の証しです。
挨拶ができる人は、気配りができる人であるように。
整理整頓ができる人は、目配りができる人です。
トラックの運転には気配りと目配りが必要です。
危険を気で予測して、安全を目で確認します。
そう考えると、挨拶や整理整頓は安全運転にもつながる安全行動です。
車内で周囲の「危ないもの」に気付ける人は、車内はもちろん社内でも周囲の「汚いもの」にも気付ける人です。
トラックの死角を少なくするためにも、運転室内の整理整頓に取り組みましょう。
特に大型トラックによる左折時の自転車運転者を巻き込む事故を防止するために、助手席側の足元に設置された安全窓から外部を目視で確認できるように。
事故を起こしたドライバーの多くは、運転室内が乱雑な状態で走行していたことが散見されます。
マイカーも含めて運転室内の整理整頓を。
車庫に駐車されているマイカーの運転室内には、社内のルールが適用されないため、個々のルールの取り決めと取り組みの状態が表れます。
ドライバーによる車内の整理整頓を指導するために、管理者は社内の整理整頓を。
まずは「終業時、机の上には何も置かずに退社する」ことから始めるのがおススメです。
つぎに「勤務中、出したものをそのつど片づける」ことにもチャレンジしてみましょう。
机上の整理整頓とは倉庫の整理整頓にも通じるものがあり、ミスやロスの削減にも効果があります。
脱いだ履物の向きを揃えることは、車輪止めの向きをまっすぐに揃えるのと同じことです。
履物をまっすぐに揃えることは、駐車時にトラックをまっすぐに停めるのと同じことです。
ドライバーが正しい仕事ができる車内環境作りの一環として取り組む社内の整理整頓は、お客様が「また来たくなる!」と思える社内環境作りに通じます。
お客様の敷地や倉庫を使わせていただきながらの委託業務では、整理整頓やマナーアップは「期待を信頼」に変えることができます。
社内外での名刺交換や上座・下座などのマナーアップについて再確認を。
社外からのインターネットからの問い合わせに対する対応方法の確認を。
マナーについては「できていない人を叱る」よりも「できている人を褒める」こともマナーです。
机の上の整理整頓の状態とは、頭や心の中の整理整頓の状態を示すもの。
段取りよく仕事を進めるためにも、パソコンのデスクトップアイコンの整理整頓から始めましょう。
管理者の重要な仕事のひとつとして、ドライバーと向き合い会話をすること。
そう考えれば、ドライバーが帰ってくるまでに仕事の段取りを済ませておくことも「時間の整理整頓」です。
心の中が整っていなければ、安全(正しさ)と品質(美しさ)が低下します。
整理整頓は、その場で働く人が最良の仕事を提供するための手段です。
整理整頓を含む5S活動とは、ヒューマンエラーといわれる人の誤(5)を少なく(S)する活動です。
車庫の5S活動を進めることで、誤配送が少なくなります。
倉庫の5S活動を進めることで、誤出荷が少なくなります。
ありがとうございました。
次回は4月7日(金)更新予定です。
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