第64回 理念と方針

周囲への接し方や考え方に迷えば、理念を参考にしましょう。

個人の判断基準や行動を迷えば、方針を参考にしましょう。

理念とは各社が掲げる理想の姿であり、方針は社員が理想の姿になるための手順です。

「理念と方針」は、社員が進むべき道をいつも明確に示してくれます。

「理念と方針」に沿って「今、何をすべきか?」を考えて行動しましょう。

「理念と方針」は、人間関係や企業間の“さまざまな間”を適切に埋める機能にもなります。

社内では理念によって、価値観を共有できます。

社長と管理者の間。

管理者とドライバーの間。

先輩ドライバーと後輩ドライバーの間。

社外では方針によって、行動を統一できます。

運送会社と荷主の間。

元請け会社と協力会社との間。

出荷先と配送先の間。

それぞれの間を各社の「理念と方針」で埋めることで、社内では双方の誤解が消えて信頼が深まり、社外からは評価が高まります。

双方の意思を正しく伝えると、双方の会話が生まれます。

双方の意思が正しく伝わるような提案や発言を誰かがすることで、双方の会話が弾みます。

事故防止や品質向上の指導には、双方の会話が必要です。

時に「違うものは違う」と言い切れる互いの勇気と信頼関係も必要です。

会話の「質と量」には、相手への関心度合いが表われます。

運送会社内で管理者のドライバーへの関心が低下すると、会話の「質と量」が低下します。

点呼を含めた会話の機会で、管理者がドライバーの体調や感情を見抜き、ドライバーのエラーを未然に防止することができます。

たとえば管理者がドライバーのエラーを見逃し続けると、重大な交通事故や多大な品質クレームが発生しやすくなります。

合わせて、手が届きそうな目標を設定することも、努力や改善を継続できる方法のひとつ。

そのために、「ありたい姿」を個々に確認しましょう。

「ありたい姿」と自分の姿を客観的に比較しましょう。

他社の「ありたい姿」になるための活動と自社の活動を比較すれば、必ず気づけることが有ります。

個々の「ありたい姿」になる方法を提案して(取り決め)、指導しましょう(取り組み)。

特に安全については誰しもが「交通事故に一生遭いたくない」と思っているはずです。

全員が「安全=ありたい姿」になる「方法=社内ルール」を提案して指導しましょう。

社内で「理念と方針」を確認してみましょう。

多くの運送会社の「理念と方針」には、安全の二文字が含まれているはずです。

運送会社にとって、働くすべての社員の「ありたい姿」が安全です。

どうか臆することなく「理念と方針」に含まれている安全に取り組みましょう。

安全は、すべての社員が「ありたい姿」になるために、最優先すべき考え方と行動です。

ありがとうございました。

次回は1月15日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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