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第57回 次を担う人財を育てる
「組織を拡大したいが、責任者を担う人財が育っていないため、現状は難しい」と嘆く経営トップは、少なくありません。
そこで、当面は、外部から経験者を求めることになります。しかし、いまの状況では、そういう人財は、なかなか見つかりません。
また、それでは、経営トップの想いが浸透する組織にはなりにくいという問題もあります。
いつまでたっても、人が育ちにくい土壌のままなのです。
ですから、どの時点かで、本気で、次の人財を育てるための企画を導入しなくてはなりません。
例えば、茨城県水戸市に本社を置く食品物流企業の雄、茨城乳配では、「ナンバー2会議」という企画を実施しています。
これは、次期所長クラスの人材を各部署から集め、組織の現状と課題、成功事例などを共有し、討議するための会議です。
スタートしてから2年間が経ちますが、大きな成果があったようです。
企画者の同社副社長、吉川国之氏は、ブログで、次のように述べています。
今まで同じメンバーで会議や討論を進めてきたせいか、メンバー全員に責任者としての感覚が身に付いてきたようで、発言の内容に感心させられることが増えてきました。
中には、拠点の責任者として十分にやっていけるだけの能力を持った社員も出てきましたし、社員のメンターになりたいという希望を持って活動を始めた社員もいます。
これが、この2年間将来の責任者を育成しようという目的で続けてきたこの会議の成果なのでしょう。
そして、ナンバー2とそれ以下の層の差が大きくなってしまったという、新たな課題が出てきたそうです。
同社では、現在、「ナンバー3会議」の開催を検討中です。
部門責任者を担える人財をつくるために、OJTだけでは、不足です。
なぜなら、ナンバー1と2では、持つべき視点が違うからです。
組織を順調に拡大させたいなら、本気で次の人財を育てるための企画を導入してください。
次回は3月5日(火)更新予定です。
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